コラム

いざというときに役立つ「避難所マップ」の作り方
~災害時も落ち着いて行動するための準備を~

地震をはじめとする自然災害により、多くの方が被災し生命や安全な生活が脅かされたり、地域の経済活動にも多大な影響が及ぼされるなど、甚大な被害が生じる事態が近年たびたび起こっています。
いつ起こるかわからない自然災害の脅威に対抗できる術は限られていても、影響を最小限にとどめるため、事前にできるだけ対策を講じておくことは必要です。

災害発生時においては、まず「安全な場所に逃げる」ことは、行動としてとり得る最大の対策と言えます。
平時から「どこに避難するか」を知っておき、いざ災害に直面した時にも落ち着いて行動するのに役立つツールが『避難所マップ』です。

今回は、特定の職員や学生の方が訪れる施設はもちろん、不特定多数のお客様や来訪者を迎え入れる施設を運営される皆さま向けに、避難所マップの作り方についてご紹介します。

目次
● 自然災害への対策の現状
● マップルが考える「避難所マップ」とは
● 避難所マップの作り方
● マップルの災害対策製品


自然災害への対策の現状

相次ぐ自然災害への対策として国や自治体では、浸水・土砂崩れ等のハザード情報や避難所情報をWebサイトで公開したり、専用の防災アプリや冊子を配布するなど、大々的に備えています。
しかし、 Webサイトやスマホアプリで情報が取得できるようになっていても、いざ切迫した緊急時となると落ち着いて検索操作して避難するのが困難であったり、通信が遮断されてしまい肝心な情報を得ることができなくなることも考えられます。冊子として配布されたハザードマップについても、多くの場合、市区町村全域を収録した大判地図のため、常時貼り出したり携帯するには不向きな面があります。

そして、これらの情報は汎用的で多くの人が利用できるようになっている一方、主に「行政(市区町村)単位」であるため、個々人にとっては必ずしもフィットしたものになっていないことがあります。実際、人々が常に自宅にいるわけではなく日々移動・行動をしていることを考えれば、職場や通学先、レジャー先で災害に直面する可能性も十分あり、求められるのは住まう場所だけでなく「行った先」の情報です。

そこで提案したいのが、各拠点での「避難所マップ」の作成というわけです。
各施設に最適な「避難所マップ」を作成いただくことにより、災害発生時に勤務中、就学中、さらには来訪中の方々の安全を守る一助になるはずです。

マップルが考える「避難所マップ」とは

マップルが考える、いざという時に本当に役に立つ「避難所マップ」とは、
・ 職場やリモートオフィスなどの勤務場所
・ 学校・学習塾などの通学先
・ 飲食店、販売店、ホテル、劇場、駅などの一時滞在場所
などそれぞれで独自に作成するもので、各施設や店舗を起点とし、周辺地域のハザード情報(災害リスク情報)や避難所情報を重ね合わせた地図です。避難所情報に災害種別も含めれば、どの災害が発生したときにどこへ避難すべきかも明確です。
携帯性を考慮してA4以下のサイズの紙に印刷するか、スマートフォン内に画像として保存する場合でも拡大やスクロールを極力しなくて済むようなサイズとするのがよいでしょう。

避難所マップは、施設の職員・スタッフ、施設利用者に配布したり施設内に掲示して利用します。
これにより常駐者も来訪者も、災害発生時に心理的なゆとりを持って避難行動をとるサポートができます。なにより、「行先でもいざという時の備えができている」安心感を伴いながら、日頃の勤務や学習、レジャー行動、移動を行なうことができます。BCP対策としても有効です。

避難所マップの作り方

避難所マップの作成方法として、大きく2つあります。
「地図ソフトを利用してご自身で作成する」方法、そして「地図会社に制作を委託する」方法です。

「地図ソフトを利用してご自身で作成する」場合

マップルでは、避難所マップを作成できる地図ソフトを3つご用意しています。

① スーパーマップル・デジタル
豊富な情報と多彩な機能を備えたインストール型パソコン用地図ソフト。
全国の地図を閲覧、検索、ルート表示することができます。さらに、カスタム情報として、ご自身の施設(店舗位置など)や周辺の避難施設情報を登録したり、浸水エリアなどのハザード情報を取り込むことができます。
一番近い避難所など必要な情報を地図上に重ねあわせて表示し、任意に指定する範囲を画像ファイルとして出力することができます。
これで「避難所マップ」が作成できます。

※ 印刷やWeb掲載する場合には「複製利用許諾」が必要になります。詳しくはこちら>

② デフォルメマップ作成ツール
全国の地図から任意のエリアを「切り出し」できるソフトウェアです。
ご自身の施設情報(店舗位置など)を取り込んで自動で切り出せるなど、大量の地図を一括作成するのに適しています。
切り出したデータはAI形式で保存されるので、イラストレーター等の編集ソフトで自在に加工することできます。

③ マップル地図作成ツール
オンライン環境で任意エリアの地図を「切り出し」できるWebサービスで、図数が少ない利用に適しています。
切り出したデータはSVG形式で保存されるので、イラストレーター等の編集ソフトで自在に加工できます。

デフォルメマップ作成ツール、マップル地図作成ツール、いずれも切り出した地図は当社の使用許諾付きで、ツール利用料(プリペイド式)以外の追加料金なく印刷やWeb掲載にご利用いただけます。
>どちらがよりお客様の用途に合っているか分かる!「デフォルメマップ作成ツール」と「マップル地図作成ツール」の比較表はこちら

「地図会社に制作を委託する」場合

マップルでは、お客様のご要望に応じて「避難所マップ」をオーダーメイドで受託制作いたします。
お客様がお持ちの情報(施設情報など)に加えて、当社が情報収集や選定、取り込みなどを行なって、地図制作~印刷までお請けします。

国や自治体による情報開示が進んでいても、適した情報の検索や、専門的なデータフォーマットの取り扱いなどは依然技術的なハードルが高い分野でもあります。また、マップルが長年培ってきた「見やすい地図」「わかりやすい地図」の編集・制作ノウハウは、災害という切迫した特殊な状況であっても効果を発揮します。
マップルでは、下図のように地図のみならず一連の関連情報なども誌面に掲載するなど、ご要望に応じた避難所マップを制作します。
是非ご相談ください。

(図面の掲載内容は実際と異なります)

マップルの災害対策製品

当社では「避難所マップ」のほか、災害対策の製品を用意しています。

震災時帰宅支援マップ
震災対策のベストセラー製品です。東京及び近県の避難施設情報や、帰宅支援ステーション、救急病院、危険箇所等、震災時の帰宅・滞在に関わる情報を収録しています。

ポータブル蓄電池
地域や企業での避難や事業継続に必要な蓄電池、太陽光パネルを提供しています。
蓄電池の設置場所管理に有効となる地図ソリューションも提案いたします。


いつ発生するかわからない災害への備えは、まず意識を向けることから始められます。
このコラムをお読みいただいた皆さまもぜひ、避難所マップの作成・ご活用をされてはいかがでしょう?
地図のプロフェッショナルである私たちマップルは、社会の安心・安全を守り抜くべく、今後も防災から災害時の緊急対策に至るまで、各種ソリューションを提供してまいります。

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