地図の雑学|青ヶ島(東京都)~世界でも珍しいカルデラの筆~

2026年10月23日配信

 ポスト   シェア   LINEで送る

maptrivia_aogashima

MAPPLE法務局地図ビューアで見つけた気になる筆
マップルラボで公開している MAPPLE 法務局地図ビューア。全国の登記所備付地図データをマップルのベクトルタイル上に地図展開し、筆(土地)情報や形状を確認することができます。今回、MAPPLE 法務局地図ビューア(地図)を使って全国で見つけた気になる筆とその土地にまつわる話を紹介します。

◆No.103 青ヶ島(東京都) 
 ~世界でも珍しいカルデラの筆~ 

東京から南に約360km、もっとも近い八丈島からでも約70㎞離れた場所に位置する「青ヶ島」は、世界的に珍しい二重カルデラ構造(内輪山と外輪山を併せ持つ構造)の島です。
青ヶ島へのアクセスは、八丈島からの定期船またはヘリコプターに限られます。しかし、周辺の海象条件は非常に厳しく、定期船の就航率は50~60%程度です。ヘリコプターも座席数が限られているため、日本でももっとも上陸が難しい島の一つとして知られています。

青ヶ島の地形は、大きな外輪山と、その内側に位置する「丸山」と呼ばれる小さな内輪山から構成されています。この独特の景観は、1785年(天明5年)に起きた「天明の大噴火」によって形成されました。当時の噴火は凄まじく、島民は八丈島への避難を余儀なくされました。青ヶ島に再び人が戻れたのは、それから約半世紀後の1835年(天保6年)のことだったと伝えられています。

カルデラ-1

このような歴史を持つ青ヶ島ですが、その特徴的な地形は「カルデラ」と呼ばれています。カルデラは、火山噴火によって形成された巨大な凹地のことで、スペイン語で「鍋」を意味する言葉が語源となっています。大量のマグマが地下から一気に噴出し、空になったマグマ溜まりの天井が崩落・陥没することで、この独特な地形が生まれます。日本では阿蘇山や洞爺湖、十和田湖などがカルデラ地形として知られています。 

1002462_20230202-2

2000391_20220810-2

43000575_00004

青ヶ島を地図と空中写真で見ると、この火山地形が筆(土地)にもよく表されています。筆(土地)は丸山の形に沿って設定されています。内輪山である丸山の火口や縞模様に植生された椿の木々が広がる斜面の形状が、それぞれ筆(土地)として設定されています。また、外輪山の底にも筆(土地)が設定されており、そこでは畑作が行われています。このように、一つひとつの筆(土地)の形と空中写真、地形図などと合わせて確認することで、土地の利用状況と青ヶ島特有の険しい地形の関わりを読み解くことができます。

青ヶ島(空中写真)二重カルデラ青ヶ島の空中写真

丸山

丸山(周り)

 丸山(内輪山)の火口と斜面の筆 

二重カルデラの全景を観察するには、外輪山にある「大凸部(おおとんぶ)」や展望公園が絶好のスポットになっています。どちらからも内輪山を外輪山が囲む圧倒的なスケールを体感することができます。一度は見ておきたい青ヶ島のカルデラですが、筆(土地)からもその姿を感じることができます。 

出典:
国土地理院ウェブサイト「地理院地図(電子国土Web)データ」(国土地理院)をもとに加工して作成
「登記所備付データ」(法務省)を加工して作成


 

「地図の雑学」
「地図の雑学」は地図技術者・地図編集者が「地図の制作にまつわる話」や「地図を使った楽しみ方」を紹介するコーナーです。
> これまでの記事一覧はこちら