地図の雑学|大和郡山(奈良県)~豊臣秀長の城下町、金魚池を読み解く「筆」~

2026年09月25日配信

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MAPPLE法務局地図ビューアで見つけた気になる筆
マップルラボで公開している MAPPLE 法務局地図ビューア。全国の登記所備付地図データをマップルのベクトルタイル上に地図展開し、筆(土地)情報や形状を確認することができます。今回、MAPPLE 法務局地図ビューア(地図)を使って全国で見つけた気になる筆とその土地にまつわる話を紹介します。

◆No.102 大和郡山(奈良県)
~豊臣秀長の城下町、金魚池を読み解く「筆」~

奈良県大和郡山市は、戦国時代に筒井順慶が築城した郡山城を中心に発展した城下町です。その後、この地を治めた豊臣秀吉の弟・豊臣秀長によって城郭や町割りが整備されていきました。秀長は秀吉の右腕として天下統一を支えた人物です。
「秀長がいなければ、秀吉の天下統一はなかった」と言われるほどその功績は大きく、もし彼が存命であれば、のちの「大坂夏の陣」を経て豊臣家が滅亡するという結末も迎えなかったのではないか、とさえ言われています。

大和郡山市街城下町の面影を今に伝える街並み

秀長によって礎が築かれた郡山城は、明治時代に入って廃城となりましたが、のちに公園として整備されました。現在は園内に櫓(やぐら)などが復元され、国の史跡に指定されているほか、「日本さくら名所100選」に選定されるなど、県内屈指の桜の名所となっています。

29000859_00012郡山城跡

そんな大和郡山では、特徴的な筆(土地)を見つけることができます。地図を見ると、郡山城の南側に広範囲にわたる水域が広がっています。一見すると小さな池の集まりのように見えますが、実はその一つひとつに地番が設定されています。
これは、この水域が自然のものではなく、人の手によって造られた場所であることを物語っています。整然と並ぶ水域は溜池のようになっており、ここには「金魚池」と呼ばれる、金魚を養殖するための池があります。実は大和郡山市は、日本を代表する金魚の一大養殖地として全国にその名が知られており、町を歩くと金魚を題材にしたモニュメントや施設を見ることができます。

金魚池金魚池 

大和郡山市では、古くから金魚の養殖が盛んに行われてきました。1724年(享保9年)に柳沢氏が国替えによって甲斐国(山梨県)からやってきた際、金魚を持ち込んだのが始まりとされています。養殖がこれほどまでに発展したのは、水質や水利、稚魚の餌となる微生物などの自然条件に恵まれていたことと、藩主の援助があったからだと言われています。
現在も多くの養殖農家が金魚の養殖に携わっており、養殖技術の進歩とともに海外への輸出も盛んに行われるなど、金魚は大和郡山にとって極めて大切な地場産業となっています。

タイトル・金魚養殖池

改めて地図を見ると、金魚池が広がる場所には養殖用の生簀(いけす)が点在し、「金魚資料館」の文字が見えます。筆(土地)情報を重ねて見ると、筆(土地)は水部の形状に合わせて設定されており、それぞれに地番が付与されています。

この金魚池の例からも分かるように、筆(土地)は、その水域が自然のものか、あるいは人工的に造られたものなのかを見分けるヒントにもなり、土地の成り立ちを知るための重要な情報源にもなるのです。

出典:「登記所備付データ」(法務省)を加工して作成

 

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