深刻なドライバー不足…の前に!福祉・介護送迎の「属人化」を防ぎ、新人でも安心な業務に変える3つのコツ

2025年12月01日配信

「あの人がいないと、送迎が回らない…」

デイサービス(通所介護)の送迎、病院への通院送迎、訪問入浴や訪問診療の巡回――。 福祉・介護・医療の現場において、利用者様の「送迎」や「巡回」は、サービス提供に欠かせない重要な業務です。

 

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しかし今、多くの事業所様が「深刻なドライバー不足」と、それに拍車をかける「業務の属人化」という二重の課題に直面しています。

  • そもそもドライバーの採用が難しく、慢性的に人手が足りない

  • ベテランのAさんしか効率的なルートが組めず、その人に負担が集中している

  • 新人が入っても、複雑なルートや利用者様の情報を覚えるのが大変ですぐに辞めてしまう

  • 結果、さらに人手が足りなくなり、現場が疲弊している

  • 手書きの地図や、個人の頭の中にある情報が共有されておらず、非効率だ

こうした「特定のスタッフ」の経験と勘に依存した状態は、ただでさえ人手不足の中、その人が休んだり退職したりした瞬間に、業務全体が停止しかねない大きなリスクを抱えています。

この記事では、なぜ「属人化」が起こるのか、そしてどうすれば「誰でも」効率的な送迎・巡回業務ができる体制(=標準化)を作れるのか、そのコツをご紹介します。

なぜ「福祉・介護の送迎」は属人化しやすいのか?

こうした送迎・巡回業務が難しいのは、単にA地点からB地点へ移動するだけではなく、目的地(ピックアップ・ドロップオフ地点)の多くが「個人宅」であること、そして利用者の状況が日々変動することにあるからです。

複雑な条件:

利用者様ごとの「送迎希望時間(〇時までにお迎え)」、「午前/午後」といった利用パターン、病院での「診察・治療時間」。

個別対応:

車椅子や介助の必要性、ご自宅の駐車スペースの有無といった個別事情。加えて、個人宅ゆえに目印となるものが少なく、道が狭い、駐車スペースが限られるといった特有の難しさも。

住所で管理できない地点:

「〇〇様のご自宅」という住所通りではなく、「自宅前の道が狭いから、近所のコンビニ前」「いつも待っている大通り沿いの電柱」といった、住所では表せない「お決まりの場所」での送迎も頻繁に発生。

変動要素:

当日の道路状況や天候、急な利用キャンセルや追加依頼。

これら無数の変動要素と、地図には載らない現場のノウハウ(=あの家の前は狭い、あの場所は停めやすい)をパズルのように組み合わせ、ベテランスタッフは「頭の中の地図」と「長年の経験」を駆使して、最も効率的なルートを導き出しています。これはまさに職人技ですが、この職人技を前提とした業務体制こそが、新人の定着を妨げ、属人化を深刻にしている根本的な原因です。

「属人化」から脱却!業務を「標準化」する3つのコツ

では、どうすればこの「職人技」を、チーム全体の「標準スキル」に変えていけるのでしょうか。

コツ1:情報の「見える化」と「一元管理」

まずは、ベテランの頭の中にある情報をすべて「見える化」することから始めます。

  • 利用者(患者)情報: 住所、連絡先、希望時間、注意事項(例:「玄関まで介助が必要」など)

  • 車両情報: 車種、定員、車椅子対応の可否、現在の位置

  • 送迎ルート情報: 過去の送迎実績、効率的なルートパターン

これらを紙や個人のExcelではなく、「誰もがリアルタイムで確認できる場所」で一元管理することが第一歩です。

コツ2:送迎・巡回の「ルール」を明確にする

次に、「なんとなく」で組まれているルート作成の基準を、「明確なルール」にします。

  • 送迎時間の優先順位(例:〇〇様は必ず9時までに、など)

  • エリアごとの担当車両の割り当て

  • 急なキャンセルや追加依頼があった場合の対応フロー

ルールを決めることで、経験の浅いスタッフでも判断に迷うことが減り、業務品質が安定します。

コツ3:IT・システム(地図情報)の力を借りる

コツ1と2(情報の見える化、ルールの明確化)は重要ですが、これらを日々手動で更新し続けるのは大変な労力です。特に、刻々と変わる利用者の状況や道路情報、個人宅等の複雑な条件に対応しながら「最適なルート」を計算するのは、人間の手作業では限界があります。

そこで最も強力な解決策となるのが、地図情報を活用したITシステムの導入です。

例えば、マップルの「ルートナビゲータープラス」のような「動態管理・ルート最適化サービス」を活用すると、以下のようなことが可能になります。

  • 予め登録した利用者情報(住所や時間指定)から対象者を選択するだけで、システムが最適な送迎ルートと順番を自動で計算してくれる。

  • 目印のない「個人宅」や、住所とは異なる「いつもの場所(例:近所のコンビニ前)」も、地図上でピンポイントに「地点」として登録・管理できる。

  • 急な変更があっても、すぐにルートを再計算できる。

  • 車両の現在地や送迎状況がリアルタイムで「見える化」され、事務所からでも把握できる。

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これにより、ベテランスタッフの「ルート作成」という重い負担を軽減できるだけでなく、新人ドライバーもシステムが示すルート通りに運転し、システムが示す正確な地点に向かえばよいため、教育コストが劇的に下がります。 これは、深刻化するドライバー不足の状況下で、新人や経験の浅いスタッフでも早期に「独り立ち」してもらうための、強力な一手となります。

まとめ:効率化が「働きやすさ」と「サービスの質」を生む

福祉・介護・医療の現場における「属人化」、そして深刻な「ドライバー不足」は、スタッフの負担増、教育コストの増大、離職率の高さに直結する深刻な経営課題です。

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「ルートナビゲータープラス」のようなIT・システムを活用して業務を「標準化」することは、単なる業務効率化に留まりません。ベテランの負担を減らし、新人でも安心して働ける「働きやすい」環境を整えることは、スタッフの離職率低下、そして採用力の強化にもつながります。

人手不足の時代だからこそ、人にしかできない「利用者様へのケア」に時間を使えるよう、システムの力で業務の基盤を整えることが急務と言えるでしょう。


こうした「利用者様のご自宅を個別に回り、時間や条件を守って送迎・巡回する業務」における「属人化」や「新人教育の負担」といった課題は、デイサービスの送迎であれ、病院への通院送迎であれ、その業態を問わず共通しています。

実際に、マップルの「ルートナビゲータープラス」を活用し、これらの課題を見事に解決し、業務効率化はもちろん、スタッフの離職率低下や働き方改革にまで繋げた企業様の導入事例があります。
「送迎ルート作成の負担をどう減らしたのか」「新人教育にどう活かしたのか」、現場のリアルな声がわかるインタビュー記事ですので、ぜひご参考になさってください。