MAPPLE法務局地図ビューアで見つけた気になる筆
マップルラボで公開している MAPPLE 法務局地図ビューア。全国の登記所備付地図データをマップルのベクトルタイル上に地図展開し、筆(土地)情報や形状を確認することができます。今回、MAPPLE 法務局地図ビューア(地図)を使って全国で見つけた気になる筆とその土地にまつわる話を紹介します。
◆No.62 小島(厚岸小島)(北海道)~全国でも珍しい季節有人島の筆~
厚岸湾と厚岸湖に挟まれた厚岸は、江戸時代にはアッケシ場所が開設され、商取引などが行われていました。また、国泰寺が建立されるなど、開拓の玄関口として古い歴史を持っています。さらに、天然の良港であるため、牡蠣をはじめとする海の幸が獲れることで知られています。厚岸湾には「大黒島」と呼ばれる海鳥繁殖地があり、国の天然記念物に指定されています。
地図を見ると、大黒島の北手前に小さな島があります。この島は「小島(厚岸小島)」と呼ばれ、島には筆(土地)があり、空中写真では数件の住宅が確認できます。航路もない小さな島ですが、実は漁期など一定の期間にのみ人が定住する「季節有人島」として、全国的にも珍しい島です。 周囲約800mの小さな島では昆布漁が盛んに行われており、周辺の海域は良好な昆布の漁場となっています。小島(厚岸小島)はピリカウタ展望台からその全景を一望することができ、昆布漁の時期には、数百もの漁船が小島の前から一斉に出漁する壮観な光景が広がります。
このように、一時的な定住があるため、島には住宅が建ち、筆(土地)が設定されています。小島では、明治時代に昆布を獲るために人が住み始めたとされています。その後、ニシン漁が盛んになると、学校が開校するなど漁村集落が形成されました。しかし、人口減少が進み1975年(昭和50年)に学校が閉校し、ほどなく島民は定住ではなく、季節居住へ移行していきました。現在、定期航路はなく、昆布漁の時期にのみ漁に携わる人々が生活し、漁の時期を終えると無人島となります。
※筆はおおよその位置
地図や空中写真に筆(土地)を重ねると、島の形状は大きく変わっていますが、住宅や学校跡など、それぞれの建物に合わせて筆(土地)が当時の状態で設定されているようです。現在は、季節限定で人々が生活を営む島となっていますが、筆(土地)からはかつて多くの人が小島に定住し、賑わいを見せていた時代の名残を伺うことができます。 北海道厚岸町で見られるこの島の筆(土地)は、全国的にも珍しい季節有人島の筆でした。
出典:
国土地理院ウェブサイト「地理院地図(電子国土Web)データ」(国土地理院)をもとに加工して作成
「登記所備付データ」(法務省)を加工して作成
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