MAPPLE法務局地図ビューアで見つけた気になる筆
マップルラボで公開している MAPPLE 法務局地図ビューア。全国の登記所備付地図データをマップルのベクトルタイル上に地図展開し、筆(土地)情報や形状を確認することができます。今回、MAPPLE 法務局地図ビューア(地図)を使って全国で見つけた気になる筆とその土地にまつわる話を紹介します。
◆No.52 馬見古墳群・馬見丘陵公園(奈良県)~ホタテ貝や鍵穴の形をした筆~
奈良県河合町と広陵町にまたがる馬見丘陵公園周辺では少し変わった形をした筆(土地)を見ることができます。馬見丘陵公園は、その名の通り馬見丘陵に開園した公園です。同じ丘陵地には大和3大古墳群の1つである馬見古墳群があり、250基を超える古墳からなる大古墳群を形成しています。
馬見丘陵周辺では1960年代(昭和40年代)後半より丘陵地の西側で大規模な宅地開発が始まりました。当時の丘陵には古墳のほか豊かな自然も残されており、古墳と自然を開発から守り、保全するために丘陵の東側に公園を造成することになりました。こうして馬見古墳群の一部は馬見丘陵公園として整備され、大小さまざまな古墳が保存されることになりました。
ホタテ貝の形をした筆の乙女山古墳
地図で馬見丘陵公園やその付近を見ると、ホタテ貝や鍵穴の形をした筆(土地)を見ることができます。ホタテ貝の形をした筆(土地)には乙女山古墳と呼ばれる古墳があります。古墳の形から帆立貝形古墳と呼ばれており、乙女山古墳は帆立貝形古墳として、全国有数の規模を誇る古墳と言われています。鍵穴の形をした筆(土地)は同じく古墳の筆(土地)で、巣山古墳と呼ばれる前方後円墳です。巣山古墳は馬見古墳群の中でも最大規模を誇り、墳丘全長220mと巨大です。
鍵穴の形をした筆の巣山古墳
馬見丘陵公園やその周辺では、古墳の形がそのまま筆(土地)として設定された場所を多く見ることができます。このような筆(土地)が多く残されている背景には、馬見丘陵の自然と古墳群を開発から守り、歴史と文化遺産を後世へ伝えるために多くの人が尽力した結果と考えられ、その思いは筆(土地)からも伝わってきます。
出典:「登記所備付データ」(法務省)を加工して作成
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