コラム

地図の雑学|中東京変電所(埼玉県)~縦横無尽に走る送電線の筆~

MAPPLE法務局地図ビューアで見つけた気になる筆
マップルラボで公開している MAPPLE 法務局地図ビューア。全国の登記所備付地図データをマップルのベクトルタイル上に地図展開し、筆(土地)情報や形状を確認することができます。今回、MAPPLE 法務局地図ビューア(地図)を使って全国で見つけた気になる筆とその土地にまつわる話を紹介します。

◆No.38 中東京変電所(埼玉県)~縦横無尽に走る送電線の筆~

地図には時々、直線的に伸びる筆(土地)と、それらの線上に正方形の筆(土地)が設定されているものを見つけることがあります。これらの筆(土地)は送電線と送電鉄塔の筆(土地)です。国土地理院の地図データと重ねてみると、送電線と筆(土地)の線形が一致していることがわかります。他の地域も同様の筆(土地)が見られることから、送電線は土地利用の仕方に合わせて筆(土地)が設定されていることが多いようです。

この場所をMAPPLE法務局地図ビューアで見てみる

全国で見られる送電線の筆(土地)ですが、その中でも少し変わった送電線の筆(土地)を見ることができるのが埼玉県日高市にある中東京変電所の周辺です。中東京変電所の周辺を地図で見ると、送電線が各方面へ走っており、送電線が二重三重に交差しています。これは変電所から各地域へ電力を供給しているためです。筆(土地)も同様に送電線の筆(土地)が交差しています。送電鉄塔といえば、高い鉄塔をイメージしますが、この地域では空を見上げれば「すぐそこには送電線」というように低い鉄塔と送電線を見ることができます。

このような風景になったのには、各地域へ電力を供給するために、高い鉄塔と低い鉄塔を用いて送電線を通したためと考えられます。実際に送電線が交差する光景も珍しいのですが、地図でも高い所を走る送電線の筆(土地)と低い所を走る送電線の筆(土地)が交差する筆(土地)を見ることができます。

出典:
国土地理院最適化ベクトルタイル
「登記所備付データ」(法務省)を加工して作成

「地図の雑学」
「地図の雑学」は地図技術者・地図編集者が「地図の制作にまつわる話」や「地図を使った楽しみ方」を紹介するコーナーです。
> これまでの記事一覧はこちら

COLUMN一覧へ