MAPPLE法務局地図ビューアで見つけた気になる筆
マップルラボで公開している MAPPLE 法務局地図ビューア。全国の登記所備付地図データをマップルのベクトルタイル上に地図展開し、筆(土地)情報や形状を確認することができます。今回、MAPPLE 法務局地図ビューア(地図)を使って全国で見つけた気になる筆とその土地にまつわる話を紹介します。
◆No.27 リニア中央新幹線(山梨県)~筆から高速鉄道のルートが読み取れる~
筆(土地)は、将来開通する鉄道のルートを知るキッカケになることがあります。現在、東京から名古屋に向けてリニア中央新幹線の建設が進められています。リニア中央新幹線は東京の品川駅から名古屋駅、さらには大阪を結ぶ計画です。実現すれば東京~大阪間が約1時間で結ばれるとされています。
リニア中央新幹線は超電導磁石を活用した最先端技術で時速500㎞の走行を可能にしています。超電導リニアモーターカーは、レールの上を車輪で走る鉄道とは異なり、磁石の力を使い、車両を浮かせて走らせることで高速走行を可能にしています。また、二酸化炭素の排出量を抑えられるということもあり、省エネで走行ができ、環境に与える影響も少ない新時代の交通機関として期待が持たれています。
この場所をMAPPLEのベクトルタイルで見てみる
現在、リニア中央新幹線は全長42.8kmの山梨リニア実験線として、山梨県笛吹市から上野原市の間で走行試験が行われています。走行試験は1997年(平成9年)より始まり、長い車両編成による走行試験や長大トンネルの走行試験、車両同士の高速すれ違い試験など、高速走行を安定して行うために必要な試験が行われています。都留市にある山梨県立リニア見学センターでは走行試験の様子が見られるだけでなく、施設内にある模型や展示物などで、リニア中央新幹線の概要や超電導リニアについて学ぶことができます。
そんなリニア中央新幹線がどこを通るのか、実は筆(土地)からルートを読み取ることができます。山梨県南アルプス市と中央市の間を流れる釜無川の両岸に、周辺とは様子が異なった筆(土地)が直線状に連続して並んでいる場所があります。南アルプス市では圃場整備された周囲の筆(土地)を斜めに横切るように、中央市では公園を横切るように設定されているこの筆(土地)こそ、リニア中央新幹線のルートの一部です。
建設中のリニア中央新幹線(2024 年 4 月撮影)
現在、この場所では釜無川の両岸にある筆(土地)を結ぶ形で橋脚の建設が進められており、リニア中央新幹線が将来通ることが実感できます。私たちが普段目にしている地図に、リニア中央新幹線が反映されるのはまだまだ先の話ですが、筆(土地)を見れば、鉄道や道路など将来開通するルートを読み取ることができます。
出典:「登記所備付データ」(法務省)を加工して作成
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