コラム

地図の雑学|白棚線(福島県)~元祖BRTと呼ばれる交通システムの筆~

MAPPLE法務局地図ビューアで見つけた気になる筆
マップルラボで公開している MAPPLE 法務局地図ビューア。全国の登記所備付地図データをマップルのベクトルタイル上に地図展開し、筆(土地)情報や形状を確認することができます。今回、MAPPLE 法務局地図ビューア(地図)を使って全国で見つけた気になる筆とその土地にまつわる話を紹介します。

◆No.25 白棚線(福島県)~元祖BRTと呼ばれる交通システムの筆~

BRTはBus Rapid Transitの略でバス高速輸送システムと呼ばれる、バスを利用した交通システムです。BRTではバス車両や専用道・車線、優先信号といった公共車両優先システムを組合せ、速達性・定時性の確保と輸送力を強化しているのが特徴です。

BRTは東日本大震災で被災したJR大船渡線や気仙沼線、 九州北部豪雨で被災した日田彦山線において鉄道に代行する形で運行していることで知られています。また、廃線になった鉄道の跡地を利用してBRTを導入する地域もあります。

今でこそ、一般的な交通機関として知られるようになったBRTですが、福島県には元祖と呼ばれるBRTが走っています。そのBRTとは、白河市と棚倉町を結んでいた鉄道「白棚線」が廃線となり、路線跡を利用して整備したバス専用道路を走るBRTです。

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地図で「白棚線」が走るルートを見ると、正方形に整地された中を斜めに区切られた細長い筆(土地)が続いており、バスルートとバスの停留所が記載されています。これが、元祖BRTと呼ばれる「白棚線」であり、バス専用道路特有の、信号機がなく、直線的な道路になっています。

「白棚線」はその名の通り、白河駅と磐城棚倉駅を結ぶ鉄道路線として、大正時代から昭和時代にかけて、鉄道が走っていました。しかし、太平洋戦争の激化による物資不足などにより、不要不急線として休止されました。のちに鉄道は廃止されました。廃止された鉄路はバス専用道路に転用され、国鉄自動車専用道白棚高速線が走り、現在も「白棚線」として残っています。ちなみに当時の「白棚線」には不採算路線をバス路線化するための実験的な意味合いがあったようです。

出典:「登記所備付データ」(法務省)を加工して作成

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「地図の雑学」は地図技術者・地図編集者が「地図の制作にまつわる話」や「地図を使った楽しみ方」を紹介するコーナーです。
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