コラム

地図の雑学|小豆島・中山千枚田(香川県)~800 枚の水田が表す不規則に並んだ筆~

MAPPLE法務局地図ビューアで見つけた気になる筆
マップルラボで公開している MAPPLE 法務局地図ビューア。全国の登記所備付地図データをマップルのベクトルタイル上に地図展開し、筆(土地)情報や形状を確認することができます。今回、MAPPLE 法務局地図ビューア(地図)を使って全国で見つけた気になる筆とその土地にまつわる話を紹介します。

◆No.19 小豆島・中山千枚田(香川県)~800 枚の水田が表す不規則に並んだ筆~

瀬戸内海に浮かぶ小豆島は、江戸時代には良質な塩の産地として知られていましたが、塩の生産が落ち着くと、醤油の産地に転換し、その後、醤油に加え、手延べ素麺やオリーブを生産する島となりました。

小豆島で古くから醤油や素麺といった産業が盛んだった理由として、当時の海運・交通の要所であったこと、醤油や素麺を作るのに適した気候であったことが挙げられます。また、小豆島の内陸には寒霞渓に代表されるような奇峰が連なっています。急峻な地形は隆起した土地が風雨による浸食を受け、長い年月をかけてつくられた景観です。

この場所をMAPPLEベクトルタイルで見てみる

地図で小豆島の内陸を見ると斜面に沿って不規則で細長い形の筆(土地)が並んでいます。空中写真で確認すると水田の形状に合わせて区切られ、さらに地形図と合わせて見ると急峻な山腹に造られた棚田であることが分かります。棚田とは山や谷など傾斜の厳しい斜面に階段状に作られた水田のことです。

小豆島は地殻変動と火山活動によって形成され、後に陸地が押し出され隆起した結果、海岸の迫った急峻な地形を作り上げたとされています。そのため小豆島では急斜面の山腹で稲作を行うために棚田が造られました。

日本の棚田百選に選ばれた中山千枚田もその一つです。歴史は古く、室町時代から江戸時代にかけて造られたと考えられています。急な山腹に造られた約 800 枚の水田で見られる筆(土地)は棚田の形を良く表しています。

出典:
国土地理院撮影の空中写真(2020 年撮影)
「登記所備付データ」(法務省)を加工して作成

「地図の雑学」
「地図の雑学」は地図技術者・地図編集者が「地図の制作にまつわる話」や「地図を使った楽しみ方」を紹介するコーナーです。
> これまでの記事一覧はこちら

COLUMN一覧へ