コラム

地図の雑学|仲哀天皇陵・墓山古墳(大阪府)~世界遺産の百舌鳥・古市古墳群で見られる筆~

MAPPLE法務局地図ビューアで見つけた気になる筆
マップルラボで公開している MAPPLE 法務局地図ビューア。全国の登記所備付地図データをマップルのベクトルタイル上に地図展開し、筆(土地)情報や形状を確認することができます。今回、MAPPLE 法務局地図ビューア(地図)を使って全国で見つけた気になる筆とその土地にまつわる話を紹介します。

◆No.17 仲哀天皇陵・墓山古墳(大阪府)~世界遺産の百舌鳥・古市古墳群で見られる筆~

大阪府藤井寺市と羽曳野市は大阪市の南東に位置する都市です。大阪への通勤圏ということもあり、新しい住宅地が造成され、大学や商業施設などの多くの施設が建ち並んでいます。ベットタウンとしての色が濃い両市ですが、実は多くの古墳が存在しており、隣の堺市にある世界遺産に登録された世界三大墳墓の一つ仁徳天皇陵古墳(仁徳天皇 百舌鳥耳原中陵)に代表される百舌鳥・古市古墳群の一部を構成しています。

仁徳天皇陵古墳(仁徳天皇 百舌鳥耳原中陵)

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藤井寺市や羽曳野市の筆(土地)では特徴的な筆(土地)を見ることができます。両市には、百舌鳥・古市古墳群を構成するものも含め、古墳時代に築造された墳墓が密集しています。その中には古墳の形状がそのまま筆(土地)になっているものもあり、改めて藤井寺市や羽曳野市付近の地図を見ると、所々に鍵穴型の筆(土地)を見ることができます。

百舌鳥・古市古墳群に多くある鍵穴型の前方後円墳は、世界的にも独特なものですが、筆(土地)でも前方後円墳の形状とその周りを囲う濠や外提の形状が見て取れます。特に仲哀天皇陵と墓山古墳の2つの古墳は規模も大きく、鍵穴型の前方後円墳の形状が筆(土地)でも綺麗に表されています。

仲哀天皇陵の筆(土地)では、墳丘部分である前方後円墳の鍵穴型の形状と周囲の濠や外堤までが、綺麗な筆(土地)となっています。一方、墓山古墳の筆(土地)では後円部と前方部のつなぎ目にある造り出し(前方後円墳に多くみられる方形の壇状が、本体から突出している部分。まつりが行われる場所と考えられています)や、いくつかの筆に分かれているものの鍵穴型の形状と周囲の濠や外堤の形状がはっきりと確認できます。

出典:「登記所備付データ」(法務省)を加工して作成

「地図の雑学」
「地図の雑学」は地図技術者・地図編集者が「地図の制作にまつわる話」や「地図を使った楽しみ方」を紹介するコーナーです。
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