コラム

地図の雑学|津山城・津山城下町(岡山県)~壮麗な石垣の城と城下町の筆~

MAPPLE法務局地図ビューアで見つけた気になる筆
マップルラボで公開している MAPPLE 法務局地図ビューア。全国の登記所備付地図データをマップルのベクトルタイル上に地図展開し、筆(土地)情報や形状を確認することができます。今回、MAPPLE 法務局地図ビューア(地図)を使って全国で見つけた気になる筆とその土地にまつわる話を紹介します。

◆No.15 津山城・津山城下町(岡山県)~壮麗な石垣の城と城下町の筆~

津山城がある鶴山公園は、桜の名所として知られ、春になるとお花見をする人々で賑わいを見せます。満開になった桜は、白い櫓や石垣とのコントラストにより一層映え、素晴らしい桜とお城の風景を見ることができます。

津山城は鶴山と呼ばれる小高い丘に築かれた城です。森忠政が 1604 年(慶長 9 年)に築城に着手し、10 年以上の歳月をかけて築きました。津山城は、何段もの石垣に守られた天守(五重五階)や、60 とも 70 ともいわれる櫓が立ち並んでいた巨大な平山城でした。明治維新後の廃城令に伴い、石垣を残して、天守や屋敷、櫓、門など全て取り壊されましたが、その後、城跡は鶴山公園として整備され、石垣などの保存のほか、一部の櫓が復元されました。現在の津山城は、壮麗な石垣を持つ城と知られるだけでなく、春には桜の名所として多くの人々が訪れています。

この場所をMAPPLEのベクトルタイルで見てみる

一方、津山城下には、出雲街道が走り、城を挟んで東西に町家や寺院などが立ち並んでいます。通りには屈曲させることで敵の侵入を防ぐ桝形が造られるなど、城下町が形成されました。現在でも、当時の建物が建ち並び、寺町や商家町の町並みが色濃く残されていることから、重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。

津山城の筆(土地)を見ると城を形成する城郭の姿が綺麗に筆(土地)として表されています。城の中央にある天守を始め、多門櫓や備中櫓など櫓の筆(土地)、本丸、二の丸、三の丸の筆(土地)、櫓が建っていた石垣や天守へ繋がる道の筆(土地)など見ることができます。

また、城下町の筆(土地)を見ると、商家町が続いていたとされる街道に沿って、間口が狭く奥行きの深い細長い形をした商家町の姿を見ることができます。さらに、街道沿いにある比較的大きな筆(土地)を持つ寺院から、寺町の姿を見ることができます。

桜の名所として知られている津山城ですが、城と城下の筆(土地)には城郭や商家町、寺町、街道など当時の地割りが色濃く残されており、城下町の特徴が良く表されています。

出典:
国土地理院撮影の空中写真(2020 年撮影)
「登記所備付データ」(法務省)を加工して作成

「地図の雑学」
「地図の雑学」は地図技術者・地図編集者が「地図の制作にまつわる話」や「地図を使った楽しみ方」を紹介するコーナーです。
> これまでの記事一覧はこちら

COLUMN一覧へ