コラム

地図の雑学 | 越谷レイクタウン(埼玉県)~特徴は細長い短冊型の筆~

MAPPLE法務局地図ビューアで見つけた気になる筆
マップルラボで公開している MAPPLE 法務局地図ビューア。全国の登記所備付地図データをマップルのベクトルタイル上に地図展開し、筆(土地)情報や形状を確認することができます。今回、MAPPLE 法務局地図ビューア(地図)を使って全国で見つけた気になる筆とその土地にまつわる話を紹介します。

◆No.7 越谷レイクタウン(埼玉県)~特徴は細長い短冊型の筆

埼玉県東部に位置する越谷市には、越谷レイクタウンと呼ばれるニュータウンがあります。ニュータウン内には住宅地をはじめ駅、商業施設、学校、公園など様々な施設が整備されています。

その昔、越谷レイクタウンがある一帯は元荒川や中川など多くの河川が流れる低湿地帯であり稲作が行われていました。しかし都市の急速な発展により農地周辺はスプロール化。その結果、台風や豪雨時にはたびたび浸水被害が生じました。そこで、治水とスプロール化対策として調節池を建設し、合わせて新しい街を造成することになりました。

この場所をMAPPLE法務局地図ビューアで見てみる

こうして田園地帯に誕生した巨大な街には、変わった筆(土地)を持つ施設があります。地図で越谷レイクタウン駅の近くにある大型商業施設を見ると、非常に細長い短冊状に並んでいる筆(土地)を見つけることができます。これは短冊換地と呼ばれる土地所有の手法で、一定の土地を、短冊形の筆(土地)に細分化し複数の地権者で所有するのが特徴です。短冊換地は、大きな施設を長期的に安定して利用することを目的として用いられる手法とされています。

全国にはこのように短冊状に区切られた筆(土地)を持つ施設は多く、筆(土地)の形状も様々です。例えばイオンモール沖縄ライカム(沖縄県)の筆(土地)は越谷レイクタウンよりも大規模です。また、奏の杜フォルテ(千葉県)では扇状の筆(土地)になっています。

出典:「登記所備付データ」(法務省)を加工して作成

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「地図の雑学」は地図技術者・地図編集者が「地図の制作にまつわる話」や「地図を使った楽しみ方」を紹介するコーナーです。
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