MAPPLE法務局地図ビューアで見つけた気になる筆
マップルラボで公開している MAPPLE 法務局地図ビューア。全国の登記所備付地図データをマップルのベクトルタイル上に地図展開し、筆(土地)情報や形状を確認することができます。今回、MAPPLE 法務局地図ビューア(地図)を使って全国で見つけた気になる筆とその土地にまつわる話を紹介します。
◆No.1 五稜郭(北海道)~洋式城郭・五稜星形をした筆~
北海道函館市には全国的にも珍しい五稜星形をした筆(土地)があります。その筆(土地)を持つ場所は江戸時代末期に築城され、箱館戦争の舞台にもなった五稜郭です。五稜郭は近世ヨーロッパ式城郭の通称で五稜星形をしています。あまりにも広大なため城郭の全景を見るには隣接する五稜郭タワーの展望台から見ることになります。展望台から見る五稜郭はその大きさと五稜星形を確認することができます。
五稜郭は、江戸時代末期に締結された日米和親条約によって開港された箱館(函館)にあった外国との交渉窓口である箱館奉行の役所や役宅の、生活環境の改善や防衛上の観点から計画されました。江戸幕府は蘭学者である武田斐三郎に設計を命じ、武田斐三郎はフランス軍人からの助言と独自の工夫を加えた形で完成します。その後、五稜郭は戊辰戦争の最後の戦いである箱館戦争の舞台となり、明治新政府軍と榎本武揚や土方歳三が率いた旧幕府軍との間で激戦が繰り広げられました。
激動の歴史を持つ五稜郭ですが、地図で確認をしてみると本丸にあたる部分、土塁、城郭の形に合わせて筆(土地)が設定され、五稜郭の特徴である五稜星形の城郭が浮かび上がっています。このような特徴のある筆(土地)は長野県佐久市にあるもう一つの五稜郭である龍岡城跡でも分筆はされているものの五稜郭と同じように五稜星形を確認することができます。
出典:「登記所備付データ」(法務省)を加工して作成
「地図の雑学」
「地図の雑学」は地図技術者・地図編集者が「地図の制作にまつわる話」や「地図を使った楽しみ方」を紹介するコーナーです。
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