MAPPLE法務局地図ビューアで見つけた気になる筆
マップルラボで公開している MAPPLE 法務局地図ビューア。全国の登記所備付地図データをマップルのベクトルタイル上に地図展開し、筆(土地)情報や形状を確認することができます。今回、MAPPLE 法務局地図ビューア(地図)を使って全国で見つけた気になる筆とその土地にまつわる話を紹介します。
◆No.44 笠岡湾干拓地(岡山県)~干拓によって陸続きになった島々の筆~
瀬戸内海に面した岡山県笠岡市は干潟が多く、江戸時代から現代にいたるまで、利水と治水、さらに土地を確保するために、盛んに干拓が行われてきました。干潟は、国の天然記念物のカブトガニ繁殖地として知られており、近くにはカブトガニ博物館もあります。 笠岡で進められた干拓事業ですが、その中でも笠岡湾干拓地は広大な干拓地として知られています。干拓地では様々な農作物が栽培されているほか、菜の花やポピー、ヒマワリにコスモスといった花々が四季を通じて咲き誇っており、笠岡湾干拓地は観光地としても知られています。
干拓事業の形跡は筆(土地)にもよく表されています。笠岡湾を地図で見ると、規則正しく並んだ細長い筆(土地)の中に、不定形な筆(土地)が、まるで海に浮かんでいるように表されています。空中写真と重ねて見ると不定形の筆(土地)には木々が茂っているようです。この筆(土地)こそが笠岡湾内にあった島々の跡です。陸続きとなった現在の風景からは小高い丘のように見えますが、干拓される前は神島、片島、木之子島という島がありました。
干拓前の姿は古い地図や1970年代の空中写真で確認することができます。神島は当時すでに陸続きになっていますが、片島と木之子島は笠岡湾の島として表されています。どちらの島も干拓後に陸続きとなり、耕作地の中に残された小高い丘のような土地になりました。今では海に浮かんでいた当時の姿を見ることはできませんが、筆(土地)には干拓前の笠岡湾の姿が残されています。
出典:
国土地理院ウェブサイト「地理院地図(電子国土Web)データ」(国土地理院)をもとに加工して作成
国土地理院撮影の空中写真(2010年・2018年・2019年撮影)
「登記所備付データ」(法務省)を加工して作成
明治30年及35年測図同39年製版同43年第一回修正測図同年改版 5万分の1「横嶋」 陸地測量部
明治31年測図同35年製版同43年第一回修正測図同45年改版5万分の1「福山」 大日本帝国陸地測量部
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