「鑑定評価書の地図作成」と「著作権コスト」にお悩みの不動産鑑定士の皆さんへ。GIS不要の簡単ソフトとは?

2025年10月30日配信

【はじめに】 不動産鑑定士を悩ませる「地図によるDX推進」、その知られざる最適解

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マップルでは、かねてより「不動産鑑定業界」をPC用地図活用ソフト「スーパーマップル・デジタル(以降、SMDと略)」の主要ターゲット市場と位置づけ、業界関係者へのヒアリング・情報交換を精力的に行ってきました。

その活動を通じて見えてきたのは、非常に興味深い事実です。
それは、不動産鑑定業界においてDX(デジタルトランスフォーメーション)推進のカギと言われるほど重要性が叫ばれているデジタル地図の活用が、その認識とは裏腹に、多くの鑑定士にとって深刻な課題となっているという実態でした。

あるベテラン鑑定士は、「鑑定評価書も昔は数ページでよかったが、今は平均で50ページほどのボリュームがある」とおっしゃっていました。現代の鑑定評価業務は、求められる情報の質・量ともに増大し、その業務負荷はかつてないほど高まっています。土砂災害や水害に代表されるハザード情報を用いたリスク分析、地域の詳細な市場動向など、評価書に盛り込むべき要素の中で「地図」に関連するものは特に複雑化の一途をたどり、情報収集と整理にかかる時間は、鑑定士の本来業務である価値判断の時間を圧迫しています。

 もちろん、こうした高度な情報分析が必要な課題に対して、高機能なGIS(地理情報システム)が非常に強力なツールであることは間違いありません。しかし、その一方で現場の不動産鑑定士からは戸惑いの声が上がっているのもまた事実です。

「高機能なGISを導入したが、専門用語が難しい」
「鑑定評価書に使う地図の作成をもっと効率化したい」
「オフラインで使えるセキュリティの高い地図ソフトはないか」
「日々の業務に追われ、習得するための時間的余裕が全くない」
「もっと直感的ですぐに鑑定評価業務に活かせるツールはないのか」

地方在住のある鑑定士からは「協会などが今GISの活用を一生懸命推進しているが、ハードルが高くなかなか普及が進まない。専門家としてGISを使いこなす路線とは別に、多くの鑑定士が日々の業務で使える現実的な選択肢も必要だ」という、切実なご意見をいただきました。これは、一部の先進的な取り組みと、大多数の鑑定士が直面する現場の現実との間に、解決すべきギャップが存在することを示唆しています。

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本コラムは、そうした理想と現実のギャップに悩む、すべての不動産鑑定士の皆様へお送りするものです。
高度な分析を得意とするGISとは異なる思想で不動産鑑定業務の現場に寄り添い続けるSMDが、なぜ多忙を極める専門家にとって、もう一つの現実的な「最適解」となり得るのか。その5つの本質的な理由を、皆様から頂いた声と共に深くそして具体的に解き明かしていきます。

理由1:【鑑定評価書の地図作成】見やすさで品位を高める、マップルならではの「機能美」

不動産鑑定評価書は、その不動産の価値を依頼者に正確に伝えることができる重要な成果物です。
そして、その中に添付される地図は、評価の根拠を視覚的に伝え、説得力を与えるための「顔」であり、その品質は評価書全体の品位を大きく左右します。
日本不動産鑑定士協会連合会で要職を務めるとある鑑定士は、業界でSMDが広く使われている理由を「マップルが圧倒的に多く使われているのは地図が分かりやすいのが理由。成果品には地図を入れるので見栄えが大事」と、明確に断言されました。

この「見栄え」とは、単にカラフルであるとか、デザイン性が高いということではありません。長年にわたる地図製作の歴史の中で私たちが追求してきたのは、情報を正確に伝えるための「機能美」です。
例えば、無数にある地理的情報のうち何を地図の情報として採用するかの判断。名称の略記やシンボル化、ブランドロゴの採用など限られたスペースの中でより多くの情報を盛り込む工夫。重なりを極力排除したこだわりの文字レイアウト。町域の広がりを視認しやすくするための町別の色分け。そして、用途に応じて見やすさ、使いやすさを徹底的に追求した地図デザイン。こうした細部に宿るこだわりが、不動産鑑定評価書に求められるプロフェッショナルな品質と信頼性を下支えします。
依頼者や金融機関、裁判所といった評価書の読み手は、必ずしも不動産の専門家ではありません。彼らにとって、直感的に分かりやすい地図は、複雑な評価ロジックを理解する上で極めて重要な補助線となります。煩雑で読みにくい地図は、それだけで評価書全体への不信感につながりかねず、逆に、整理され、分かりやすい地図は、鑑定士の丁寧な仕事ぶりと高い専門性を雄弁に物語るのです。

世の中には様々な地図がありますが、SMDが提供するのは、情報を詰め込んでも煩雑にならず、伝えたいことが一目で直感的に伝わる「コミュニケーションツール」としての地図です。この視認性の高さ、表現力の質こそ、SMDが単なるデジタル地図ではなく、「鑑定評価の品質を高めるためのビジネスツール」として、多くの不動産鑑定士に選ばれ続ける所以なのです。 

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細かく分かれた町域も色分けでわかりやすく

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文字の重なりを極力排除するレイアウトのノウハウ

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限られたスペースの中で、より実用的な名称・シンボルを収録

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用途に応じて地図のデザイン(色味や文字のサイズ)を変更できる

理由2:【機密情報・セキュリティ】鑑定情報を守る「オフライン地図ソフト」という選択

不動産鑑定士が扱う「公開前の地価情報」や「売買や賃貸の取引事例」、「依頼者の個人情報・財務情報」などは、絶対に漏洩が許されない、極めてセンシティブな機密情報です。ある鑑定士との意見交換の中で「セキュリティの担保が一番大事。万が一でも機密情報が外に漏れようものなら業界自体の信用が失墜してしまう。」と、強い危機感を示されていたのは非常に印象的でした。

このような高い情報セキュリティレベルが求められる業務において、常時インターネットに接続されているクラウド型の地図サービスを利用することには、常に潜在的なリスクが伴います。
意図せぬサイバー攻撃、不正アクセス、ウイルス感染、あるいはサービス提供側のサーバートラブルや仕様変更など、自らの努力だけではコントロールできない外部からの脅威に、常に晒され続けるからです。また、利便性の裏返しとして、誤操作による情報共有設定のミスが、意図せず機密情報を公にしてしまうリスクも無視できません。例えば、大規模な再開発案件や企業のM&Aに関わる鑑定評価など、その情報が事前に漏洩した場合の損害は計り知れません。

SMDは、PC本体に地図データとアプリケーションをインストールして利用する「スタンドアローン型」のオフライン地図ソフトです。これは、意図的に外部ネットワークから情報を切り離した、完全にクローズドな環境で地図情報を扱えることを意味します。重要な顧客情報や未公開の評価情報を書き込んだ地図データが、インターネットの脅威に晒されるリスクを根本から遮断します。
この「オフラインであること」がもたらす堅牢なセキュリティは、他の多くの業界でも高く評価され、採用の決め手となってきました。例えば、国民の生命と財産を守る警察や消防、国の機密情報を扱う中央省庁や地方自治体、そして膨大な個人情報と資産を預かる金融機関。これらの組織・業界では、外部ネットワークからの完全な分離が情報管理の絶対条件であることが多く、私たちのオフライン地図は、その厳しい要求に応える形で導入実績を重ねています。
鑑定業務のデジタル化を進める上でも、利便性や効率性はもちろん重要ですが、それらはすべて「揺るぎないセキュリティ」という土台の上にあってこそ意味を成します。SMDが提供するオフライン環境は、不動産鑑定士という社会的信用の高い職業の皆様が、安心して鑑定評価業務に専念するための、いわば「デジタルの金庫」の役割を果たすのです。

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オンライン地図にはセキュリティリスクが潜んでいる

理由3:【GISに挫折しない】専門知識不要。GIS未経験者でも直感的に使えるシンプルな操作性

デジタルツール導入の障壁の一つに、その「操作の複雑さ」があります。
ある不動産鑑定士からは「高度な利用(機能)ではなく、低次な利用を想定している。シンプルでとにかく簡単なものが欲しい」という、鑑定現場の本質を突く、極めて重要なご要望をいただきました。もちろんGISは、時間をかけて習熟すれば非常に高度で多機能なツールとして活用できます。しかし、多くの鑑定士の皆様が求めているのは、日々の鑑定評価業務を効率化するための手軽で信頼できるツールではないでしょうか。
ただでさえ多忙な鑑定士にとって、レイヤー構造の理解、座標系の知識、プラグインの管理といったGISのお作法を習熟しなければならないというのは、時間的にも精神的にも大きな負担となってしまいます。

SMDの製品コンセプトは、まさにこの「シンプル・イズ・ベスト」にあります。PC操作に不慣れな方でも、長年親しんだ紙の地図を扱うのと同じような直感的な感覚で操作できるよう、インターフェースを設計しています。マウスのクリック&ドラッグで地図を動かし、ダブルクリックで拡大する。基本的な操作に専門知識は一切不要です。もちろん、シンプルでありながら不動産鑑定業務に必要な機能は十分に搭載しています。距離計測、地点の登録、文字や図形の描画、外部データの取り込みといった機能が、分かりやすいアイコンで整理されており、分厚いマニュアルを熟読せずとも、導入したその日からすぐに使い始めることができます。

この「誰でも使える」というハードルの低さがもたらすメリットは、個人の作業効率向上に留まりません。それは、事務所全体の業務標準化への道を拓きます。ベテランから若手まで、誰もが同じツールで同じ品質の地図を作成し、情報を共有できるようになることで、業務の属人化を防ぎ、組織全体の生産性を底上げします。

相応のスキルを持った人が高度な分析を行うGISと、誰もが日常業務で使えるSMD。それぞれの役割と特性を理解した上で、状況に応じて利用する最適なツールを選択することが、鑑定事務所全体のDX化成功の鍵となります。

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シンプルなUIで直感的に使うことができる

理由4:【ジオコーディング】住所リスト(CSV)を簡単・高精度に座標変換。GISでは困難な作業も効率化

SMDが専門家から評価される理由は、その使いやすさだけではありません。
汎用性の高いGISとはコンセプトを異にする、鑑定業務の効率を著しく向上させる専門的な機能を搭載しているのです。その代表格が「ジオコーディング」機能です。

これは、例えば取引事例や地価評価地点の住所が多数記載されたリスト(CSVファイルなど)を取り込むだけで、地図上の位置を示す座標値(緯度経度)を自動的に付与してくれる機能です。ある鑑定士の方からは、「SMDのウィザード(段階的に操作を進めていくインターフェース)に沿って住所が入ったデータを取り込むだけで、その場所の座標値が簡単に付与される。これを他のGISでやろうとすると設定が非常に難解だったり、別途有償のサービスを併用したりしなければならず非常に大変。この機能があるだけでもSMDを導入する価値がある。」という、最大限の評価をいただきました。

さらに重要なのは、その「精度の高さ」です。特に、新しい住所がまだ地図に反映されていないことが多い区画整理地域などにおいて、競合の地図ソフトと比較しても、SMDが最も正確に位置を特定できるとのお声もいただいています。これは、長年日本全国の住所データを地道に整備してきた私たちマップルならではの強みです。

SMDは、鑑定業務で求められる「多数の住所情報を、簡単・高速・高精度に座標へ変換する」という特定のニーズに対しても優れた解決策を提供します。これは、SMDが単に「簡単な地図ソフト」というだけでなく、「専門家のための業務効率化ツール」であることを示す、何よりの証左と言えるでしょう。

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テキスト取り込みウィザード

理由5:【地図の複製利用コスト】鑑定評価書の副本も安心。実務に即した「地図複製利用許諾」

鑑定評価書を作成し、依頼者や関係各所に提出する上で、地図の著作権と、それに伴う「複製利用許諾費用」の問題は避けて通れません。特に鑑定評価書を複数部作成する場合はなおさらです。
ある鑑定事務所の経営者からは「某地図会社の場合、権利許諾が鑑定評価書1冊ごとに必要なので、例えば鑑定評価書の正本、副本に加え、さらに写しが数部必要な場合、それぞれ別々にコストがかかる。その点、SMDならば1件の鑑定であれば、何部評価書を作ろうと1件分の許諾費用で済むのでとてもありがたい」という、実務に即した切実な評価をいただいております。

一人で事務所を経営されているある鑑定士からは、DX関連に使えるお金は年間5万円程度、というリアルな声も伺いました。こうした限られた予算の中で、コンプライアンスを遵守しながら、いかにして質の高い成果物を作成し続けるか。これは多くの事務所にとって死活問題です。
私たちは、不動産鑑定業務の実態を深く理解し、お客様のビジネスに寄り添うことを重視しています。そのため、SMDでは、お客様の経済的負担を軽減しつつ、安心して業務に専念できるよう、柔軟なライセンス体系を整備しています。法令を遵守することは当然の責務ですが、それが過度な負担となって業務を圧迫することがあってはなりません。安心して成果物を作成し、ビジネスに集中できる環境を提供すること。これもSMDの重要な役割の一つです。

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おわりに:不動産鑑定士の業務効率化は「最適な地図ソフト」選びから

不動産鑑定士の業務効率化の鍵は、「最高機能のツール」を導入することではありません。自らの業務内容、そして組織のスキルレベルに「最適なツール」を見極め、それを全員が使いこなすことにあります。

SMDは、「分かりやすい地図による成果物の品質向上」「オフラインによるセキュリティリスクの低減化」「誰でも使えるシンプルな操作性」「専門業務に特化した独自機能」「実務に即したライセンス体系」という、現場が本当に必要とする価値を提供することに特化しています。

「紙の地図の見やすさ」と「デジタルの利便性」を両立させ、簡単な操作性で鑑定評価業務の“新しい当たり前”を創造する。まずはSMDで、ストレスのないデジタル地図環境を手に入れてみませんか。その一枚の地図が、あなたの、そして事務所全体の未来を大きく変えるきっかけになるはずです。


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