2025年10月03日配信
MAPPLE法務局地図ビューアで見つけた気になる筆
マップルラボで公開している MAPPLE 法務局地図ビューア。全国の登記所備付地図データをマップルのベクトルタイル上に地図展開し、筆（土地）情報や形状を確認することができます。今回、MAPPLE 法務局地図ビューア（地図）を使って全国で見つけた気になる筆とその土地にまつわる話を紹介します。
◆No.83 飯盛山（藺牟田富士）（鹿児島県）
～螺旋を描く蚊取り線香のような筆～
鹿児島県薩摩川内市にある藺牟田池（いむたいけ）は、藺牟田火山にある直径約1km、周囲約4kmのほぼ円形の火口湖です。最深部でも3mに満たない水深の浅い湖で、一部は低層湿原になっています。藺牟田池には多くの動植物が生息しており、特に多くの種類のトンボが生息していることで知られています。ベッコウトンボ、オオヤマトンボ、マイコアカネ、ベニトンボ、チョウトンボなどが見られます。
また、藺牟田池には泥炭質の浮島が多く点在しており、藺牟田池の泥炭形成植物群落は、国の天然記念物に指定されています。藺牟田池には遊歩道が整備され、標高500ｍ前後の外輪山に囲まれており、豊かな自然と四季折々の景観を楽しむために、ハイキングに訪れる人も多い観光地としても知られています。藺牟田池を取り囲む外輪山の中には、藺牟田池の形成に影響を与えた「飯盛山」があります。山容が富士山に似ていることから「藺牟田富士」とも呼ばれ、神話や伝説が残されています。
地図で飯盛山を見ると、美しい螺旋状の筆（土地）を見つけることができます。空中写真では、樹木の中を螺旋状の筆（土地）が延びていますが、地形図には、螺旋状の道が描かれています。等高線から読み解くと、飯盛山の登山道のようです。山の麓から山頂にかけて延びる筆（土地）は、まるで蚊取り線香のようなユニークな形を描いています。
螺旋状の筆（赤い線）
螺旋状の登山道（黒い実線）
山頂に続く螺旋状の道の先には開けた山頂部が広がり、山頂部には筆（土地）が設定されています。ここには展望台が設けられ、訪れる人々を出迎えます。展望台からは、眼下に広がる藺牟田池と、それを取り囲む緑豊かな外輪山の絶景を望むことができ、訪れる人々に感動を与えます。
全国にはユニークな形をした筆（土地）がありますが、飯盛山では、山頂に向かう螺旋状の登山道が生み出した、蚊取り線香のようなユニークで面白い筆（土地）を見ることができます。
出典：
国土地理院ウェブサイト「地理院地図（電子国土Web）データ」（国土地理院）をもとに加工して作成
「登記所備付データ」（法務省）を加工して作成
「地図の雑学」
「地図の雑学」は地図技術者・地図編集者が「地図の制作にまつわる話」や「地図を使った楽しみ方」を紹介するコーナーです。
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