[導入事例]
株式会社ジャパン・リリーフさま

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営業の同乗 “カーナビ” 業務からの解放。
ルートナビゲータープラスが送迎現場の属人化を解消し、働き方改革と事業拡大を実現

株式会社ジャパン・リリーフさま

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ご導入の製品:ルートナビゲータープラス

 

地域の送迎バス運行を委託・管理。幼稚園や病院、スイミングスクールなど、多様な施設の送迎サービスを全国で展開。創業30年を迎え、紙文化からの脱却とDX推進を大きなテーマとしています。


  導入前の課題  

  • コース習熟の負担と人材の離職:新人運転手が膨大なコースを覚える負担が大きく、早期離職につながっていた。

  • 営業社員の業務圧迫:急な欠員時、営業社員が代理ドライバーに同乗して道を案内することが常態化し、本来の業務が遂行できない状況だった。

  • 長時間労働の常態化:営業社員の同乗業務により、残業や休日出勤が避けられず、社員の負担が増加していた。

  • 業務の属人化:ベテラン運転手の経験と記憶に頼った運行体制で、再現性がなく事業継続にリスクを抱えていた。

  導入後の効果  

  • 営業社員の負担軽減と業務効率化:運転手への同乗業務がなくなり、残業削減と本来の営業活動への集中が実現した。

  • 離職率の抑制と職場環境の改善:社員全体の業務負担が軽減され、働きやすい環境が整い、離職率の抑制を実感している。

  • 運行業務の標準化:ルートがデータで共有され、誰でも同じ品質で運行可能になり、運転手の心理的負担も軽減された。

  • 事業拡大への展望:これまで対応困難だった利用者やルートが変動する複雑な送迎案件の受注も可能になり、将来的な事業拡大の道筋が見えた。


「明日の運行をどう回すか」。これは多くの送迎事業者にとって、日々頭を悩ませる深刻な課題です。特に、ドライバーの高齢化が進む中、新人ドライバーの確保と育成は喫緊のテーマとなっています。

株式会社ジャパン・リリーフさまもまた、同様の課題に直面していました。全国4500台の送迎ネットワークを支える裏側で、急な欠員対応のために営業社員が “カーナビ” 役として同乗することが常態化し、業務の属人化と、それに伴う社員の疲弊は限界に達していました。

そんな同社が、現状を打破すべく選んだのが、マップルの「ルートナビゲータープラス」でした。導入によって、現場の働き方はどう変わったのでしょうか。お話を伺いました。

お話を伺った方:
株式会社ジャパン・リリーフ General manager 村上 譲さま

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ドライバーの離職と、営業社員の同乗業務常態化。会社の成長を阻む二つの壁

――まず、ルートナビゲータープラス導入前に抱えていた課題について教えてください。

村上さま:大きな課題として、新しく入った運転手がコースを覚えられず辞めてしまうことがありました。運行を止められない業態であるため、運転手が急遽休むことになった場合新しい運転手が代わりになるものの、走る道が分からないという状況が発生していました。特に最近、運転手不足が深刻になっていますから、日ごとに乗務する運転手が替わるような状況になっています。

創業30年を迎える当社では、かなり『紙の文化』が残っていました。送迎も、ドライバーは紙の地図を見ながら走るか、頭の中にルートを叩き込んで覚えて走るしかありませんでした。ベテランはスムーズに対応できますが、新人はまずルートを覚えることから始める必要があります。全国で約4500台の車両が稼働しており、固定ルートから個人宅への送迎まで、送迎パターンはおそらく何万通りにも及びます。これを覚えるのは至難の業です。

そうなると、運転手はどうしても道を覚えられないので、営業担当者がその日走る道を先に覚えて一日中同乗する必要がありました。会社としてはこの常態化した状況を改善し、営業担当者が本来の営業活動に専念できる環境を整えたいと考えていました。

ピンポイントな送迎場所への対応と、誰もが使える「圧倒的な操作性」

――様々なサービスがある中で、導入の決め手は何だったのでしょうか?

村上さま:送迎の特性上、かなりピンポイントな送迎の停留所を設定しているため、従来のナビゲーションシステムでは対応できない、というのがまず1つ大きくありました。もう1つは、当日になって利用者が頻繁に変更になるケースが発生するため、それに柔軟に対応できるシステムが必要でした。

その上で私が最も重きを置いたのは、誰もが簡単に使える『操作性』でした。現場の運転手たちは60歳以上の方が多く、正直なところ電子化についてこられていませんでした。そもそもスマホを持ってない方もいるくらいです。でも、自分の車に付いているカーナビは使うでしょうから、それと同じ感覚で使ってほしいのです。

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一般的なカーナビでは目的地を住所で入力する必要がありますが、ルートナビゲータープラスでは目的地がすでに登録されているため、むしろカーナビよりも簡単に操作できると思っています。「目的地なら自分の頭の中に入れる」という方もいましたが、会社としては業務を平準化する必要がありました。

あと最終的には導入費用の課題もありましたが、初期費用を抑えた月額制としていただいたことで、スムーズな導入となりました。

現場への浸透を図る段階的な教育体制と実践的な運用フロー

――導入決定後、どのように社内へ展開されたのでしょうか。

村上さま:導入にあたっては、まず東西の営業担当者に対する研修会を複数回実施しました。その後、新規顧客を獲得する営業部隊にも、御社に研修会を実施してもらい、入口の段階で送迎ルートを作成・登録するという方向性としました。
今は、全国の統括エリアマネージャーから支店長、そして各営業担当者へと、トップダウンで指導を行う教育体制を構築し、全員が分かる状況を作ろうとしているところです。

――現場ではどのように活用されていますか。

村上さま:現在の活用方法としては、事前に休むことが確定している運転手の代替運行が中心となっています。
まず、営業担当者か現行の運転手が当日のルートをシステムに登録し、停留所の最終確認を営業担当者が行います。その上で、代替運転手にタブレット端末を渡し、操作説明を経て当日の運行に臨む、という流れです。このフローにより、計画的な欠員対応は円滑に行えるようになりました。ただ、ルートがあまりに多いためにすべて入れきれていないのは課題です。

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――ルートナビゲータープラスへの皆さんの反応はいかがでしたか?

村上さま:導入当初は、操作説明に関する質問がほとんどでした。
ただ、最近では「こんな機能はありませんか?」「このような使い方はできませんか?」「機能追加の予定は?」「この方が使い勝手がよいのだけど」など、使い慣れてきたからこその要望があがるようになりました。これらの要望は、御社に逐一共有し、アップデートしてもらっています。
我々としても、営業担当者にとって使い勝手がよく、運転手が簡単に操作できてすぐに業務を開始できる状態を目的として導入したので、現場の声をしっかり聞いて改善に繋げていきたい思いでいます。

現場、管理者、会社全体に好循環。諦めていた業務改善に“一点の光”

――導入後、どのような変化がありましたか?

村上さま:現場では、社員が同乗する時間が減り、本来の業務に集中できるようになったため、仕事に追われることがなくなりました。また、通常の出勤時間に出勤できるようになったことで、早朝出勤が不要になり、残業も減少しました。
以前は土日に道案内をすることは常でしたが、ルートナビゲータープラスの導入後は運転手へのシステム説明だけで済むようになり、出勤の必要がなくなりました。これにより、社員は休日をしっかり休めるようになったのです。

管理者側では、残業代の抑制によるコスト削減を実感しています。また、私の立場からすると本来は残業抑制と言いたいところですけれど、営業担当者の離職が減少したことが大きな成果だと感じています。業務が楽になったことで退職防止につながったのであれば、導入効果はあったと言えるでしょう。実際に、営業担当者の離職率が減少したと肌で感じています。ルートナビゲータープラスを使っている社員からは「正直、もうこれがないと走れません」という声も聞かれます。

会社全体では、これまで運行に関わるシステムがなく、システムを利用して走行する感覚が希薄で。そのため、コースを覚えるしかないと半ば諦めている雰囲気がありました。これは我々ジャパン・リリーフだけでなく、同業他社も同様ではないでしょうか。しかし、このシステム導入によってこの状況が改善できたのは会社としては前進ですし、社員の皆さんも諦めていた中で一筋の光を見出したと感じています。

これまで受注できなかった領域へ。事業拡大の新たな一手

――今後、ルートナビゲータープラスをどのように活用していきたいですか?

村上さま:最初にルートナビゲータープラスを導入しようと思ったもう1つの大きな理由は、売上拡大の可能性です。

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現在、当社の管理体制では、デイサービスのような変動ルート送迎(当日朝に乗車する方が決まり、その方々の家へ向かう送迎)は受注できていません。これは、いつも走ってる運転手が急に休んだ場合、代理の運転手が何百人もの利用者のルートを覚えなければならず、心が折れてしまうからです。また、デイサービスを行っている施設の多くでは、専用の職員を一人置いて毎朝管理を担っていますが、当社では特定の顧客に一人の営業担当が専属で張り付くことは困難です。
お問い合わせは多数いただきながらも、お断りしている状況です。

しかし、このシステムを活用すれば、朝の申し送りは楽になる。当日に乗車する方を伝えるだけで、運転手はリストから対象者をピックアップし、運行を開始できます。
ルートナビゲータープラスを利用することで、今はまだできていないこのような変動ルート送迎にも対応することができるようになると考えています。

ベテランの“頭脳”を会社の資産に変え、属人化から脱却する

――最後に、同様の課題をお持ちの方にルートナビゲータープラスをおすすめできるポイントをお願いします。

村上さま:恐らく皆さん共通して「明日の運行をどうするか」という悩みは共通しており、苦労されていると思います。それでいうと「この一台があれば、ルートを覚える必要がなくなる」という点は、非常に強力ではないでしょうか。

また、送迎の難易度が高い地域を担当するベテランドライバーが退職すると、新人ドライバーでは対応が難しく、現場の負担が大きくなります。そのため、会社としてはベテランドライバーの高齢化によるリスクを抱えながらも、「この人がいないと現場が回らない」と彼らを長く引き留める傾向にあります。
しかし、ルートナビゲータープラスを導入すれば、管理職から「これを使って入れ替えるように」と人員配置を指示できるようになります。これは大きな強みかなと思います。

JR_8左:運用品質部 杉山さま / 右:村上さま

このシステムの活用により、属人化している送迎業務のDX化をさらに推進してまいりたいと考えています。