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眠らせてはもったいない!その「住所情報」を活用して業務の効率アップを。ーゼロから学べる位置情報活用ー 【ウェビナー後記】

以前行なった当社ウェビナー「眠らせてはもったいない!その「住所情報」を活用して業務の効率アップを。ーゼロから学べる位置情報活用ー 」に、多数のご参加をいただきありがとうございました。
全国の地図データを整備して、それを使ったソリューションをご提供する当社ならではのお話をさせていただきましたが、時間枠の制約があったり、説明ベタでうまくお伝えすることができなかったりした点もありましたので、今回は『ウェビナー後記』としてコラムを発信させていただきます。
マップルで活動する地図編集者やソフトウェアのディレクターのざっくばらんな生の声をお届けしますので、肩の力を抜いてお読みください!

「アドレスマッチングツール」企画担当の2名
(左)飯島 浩司(株式会社昭文社クリエイティブ)、(右)中川 学(株式会社マップル)

目次
住所情報活用ソフト「アドレスマッチングツール」の担当者はこんな人。
実はあまり知られていない住所情報の特性とは?
アドレスマッチングツールで住所情報の価値を最大限引き出せる!
これから先、DXが促進される時代では、住所情報の価値は無限に高まる!


住所情報活用ソフト「アドレスマッチングツール」の担当者はこんな人。

先般のウェビナーで講師を務めた中川です。
ウェビナーにご参加いただいた方には、ご多忙な時期、ご参加いただきましてありがとうございました。改めて御礼申し上げます。
また、当日ご参加いただけなかった方々におかれましては、本稿をご覧いただきありがとうございます。
ここではウェビナーでお話したことだけでなく、お話しできなかったこぼれ話などを、私と共に「アドレスマッチングツール」(以下「AMT」と略記)の商品企画に携わっている昭文社クリエイティブの飯島さんと一緒に、AMTや住所情報のことについて語っていこうと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

では、早速ですが、飯島さんの紹介も兼ねながらお話しを進めてまいります。
飯島さんはすでに社歴30年を超えている大ベテランですが、これまで「 AMT 」にはどのようにかかわってこられているのですか?

みなさま、はじめまして。昭文社クリエイティブの飯島です。ウェビナーでは講演内容の構成を担当させていただきました。多くの方々にお聞きいただき、ありがとうございました。
私は昭文社クリエイティブの前身である日本コンピュータグラフィック社からを含めると30年以上、地図に関連した業務に携わってきています。これまで地図関連のシステム開発や地図配信サービスの企画など多くの分野を経験してきましたが「 AMT 」の商品企画に直接携わったのは、ここ2~3年になります。
地図配信サービスの部門に在籍していた時は、逆に「 AMT 」を使う側としてかかわったという経験があります。

地図配信サービスには「住所を検索してその場所の地図を表示する」という機能があって、そこには「 AMT 」の仕組み、つまり住所情報を緯度経度の座標値に変換する機能が使われているのですが、その時は、単に正しい位置の地図が表示されればそれで良し、という程度にしか考えていませんでした。
しかし、「 AMT 」の商品企画を担当するようになってからは、地図の検索以外にもどのようなことに「 AMT 」が活用できるか?とか、どのような仕組みが備わっていればより的確な地図検索ができるか?、といった様々な利用用途に目を向けるようになりましたね。

(中川)そういう経験をされていたんですね。
今度は私の経歴について言いますと、実は、私は「 AMT 」の商品企画チームに加わるまでは、住所情報の分野にはほとんどタッチしたことがなく、制作部門ではこれまで「ナビゲーション向けの道路地図データ(ネットワークデータ)」の企画・編集に携わっていました。
「地図検索」といってもネットワークデータの場合は特定の場所を検索するものではなく、出発地から目的地まで最適なルートを検索できるデータづくり、ということに力を注いでいましたので、住所情報のことを考える余地はあまりなかったですね。
ですが、カーナビやWebサイトで目的地までの経路探索をする場合、実際には目的地の住所を入力して検索するケースが多いわけです。
目的地まで到達させるというカーナビの役割を考えれば住所情報は最も重要なものであり、住所情報をいかにデータとして整備するかが非常に大きなポイントだと改めて気づかされたところです。

(飯島) やはり、使う側の業務を経験したことによって、基本的な使い方はわかっているので、それをいかにして他の用途に応用できるか、ということが製品の価値につながってくると思っています。
使う側の立場だったときは、住所情報がなければ困る、あって当たり前、というスタンスでしたが、住所の特性を深く理解したうえで、さらに様々な用途や課題解決に役立てていくことが求められます。
中川さんや私のような企画担当の役割はとても重要になりますよね。

実はあまり知られていない住所情報の特性とは?

(中川) ここでちょっとこぼれ話を挟みたいのですが、住所情報の奥深さを表すエピソードを披露したいと思います。
私は今東京近郊で暮らしていますが、就職するまでは九州・福岡で生まれ育っています。そこには当然自宅や周辺の住所というものがあって、なんの疑問を持つこともなく住所というものに接していました。
自分の場合は、住所が福岡市でしたので、ほかの市にはない「区」があるんだな、とか、「町」とか「村」とは違うんだな、自分の住所には「丁目」がついているな、といった意識はありましたが、現実の住所をさほどの違和感もなく受け入れていた、という具合です。おそらく、これが一般的な感覚なんだと思います。
その後、当時の昭文社に入社して地図データの編集部門に配属されると、周りには地図職人的な人が集まっていたのがとても新鮮でした。
「鉄道オタク」とか「登山オタク」といったマニアックな社員が多くいるだろうことは想像できたのですが、住所マニア的な社員もいることが驚きでした。
どこの地区でどういう変化があった、といった情報収集だけではなく、各地方に特徴的・歴史的な住所の様式や慣習など、まさにその土地を知り尽くしているというレベルのものです。
鉄道や登山のような趣味性が高いのとはちょっと違っていて、いうなれば研究者か生き字引といったようなベテラン社員もいるので、 AMT の企画チームに加わって以降、そうした人たちには常々詳しく教えてもらっています。

(飯島) 現在、私は AMT の企画に携わる一方で品質管理の業務も担当しています。
品質管理の目から見ると、住所情報、つまりデータベースとして整備された「住所データ」が決められた仕様に適っているか?という点がポイントになります。
全国の数多ある住所情報には、どういった情報があって、それがどのようにデータベースとして整備されているのか、は企画担当者から見ても、品質管理者から見てもとても興味深い部分です。
考えてみたら、『県』以外にも、北海道があったり、東京都、大阪府があったり、「市」「町」「村」があったり、といったところが代表例ですが、住所というのは「全国一律ではない」ので、それがどう体系化されて地図の仕組みの中で用いられるか?というのはとても奥深いですよね。

特殊な住所
全国にはその地域の歴史などを反映した特殊な住所が多数存在しています。
上ル下ル/東入ル西入ル(京都)

例)京都府京都市中京区富小路通二条下ル俵屋町195

俵屋町が複数に分かれているため、通り名を通称として利用しています。
この場合、富小路通と二条通の交差点を南に行った(下ル)先にある俵屋町を表しています。

(中川) そうなんです、あげだしたらキリがないんです。
もっとミクロなところをあげれば、○丁目○番○号のように住居表示が施行されている地域とそうでない地域があるとか、そもそも住所が存在しない国有地があったりとか、地域ごとの違いをどう標準化するか、また例外的な状況をどのように吸収していくか、といった点に編集メンバーは苦心しています。
また、住所は「変化する」という特性があります。一時ほど盛んではありませんが、市町村が合併して新たな市が誕生したり、宅地造成などの土地開発に伴って新しい住所が設置されたり、などなど、以前の自分は住所情報は「地味な裏方の情報」だと思っていましたが、実は「主役級の情報」だと言えます。

(飯島) なるほど、住所情報というのは、多種多様であり、変化し続ける情報、という特性があるということなんですね。
AMT 」ではそういった住所がもつ特性を最大限生かすべく様々な機能が実装されています。先日のウェビナーでも紹介させていただきましたが、それも含め改めて紹介したいと思います。

アドレスマッチングツールで住所情報の価値を最大限引き出せる!

(飯島) まず、 AMT の基本機能ですが、住所の文字情報から、それがどこに位置するかを明示できることです。つまり地図上に表示させるための座標情報を付与する機能です。
これによって、施設や顧客がどこに位置しているかを地図上で俯瞰することができますので、地域の偏りなど分布状況が一目瞭然ですし、地図に表記されている道路や鉄道などの交通状況も参照して、移動手段を講じることもできます。

アドレスマッチングツールの操作画面(EXE版)

(中川) 座標付与は欠かせない機能ですよね。
GISでもカーナビでも、位置を特定することによって、状況把握や業務分析をしたり、また目的地にスムーズに移動したり、もはやあって当たり前の機能と言えるものですね。

(飯島) 「あって当たり前」と言われる基本機能ですが、それを精度高く実現するために工夫が凝らされているんです。
ウェビナーでも詳しくご説明しましたが、いわゆる表記の「揺らぎ」を解消する仕組みです。
単純そうに見える住所情報でも、実は法的なルールがないため場所や人により様々な表現方法があります。
わかりやすい例でいうと、「〇丁目〇番地」や「〇-〇」のようなものです。また、「四ツ谷」「四ッ谷」「四谷」のように同じ地名でも駅や町名などにより表記が異なるものもあります。普段このようなことは意識することがないため、結果、住所には様々な「揺らぎ」が生じることになるというわけです。
AMT ではこうした「揺らぎ」を独自のアルゴリズムで吸収解消するので、簡単に住所リストを活用することが可能です。「揺らぎ」とは異なりますが、過去の住所も住所データベースに採録しているので、例えば市町村合併前の住所リストや登録者を更新していない昔の住所リストなどにも対応しています。

(中川) 住所表記の「揺らぎ」は先日のウェビナーでも説明したとおり、「アドレスマッチングツール」の特長のひとつですね。
住所情報を編集する際にも様々な工夫を凝らしていますが、ソフト側でも仕掛けが組み込まれているわけですか。基本的な機能ではあるけど、そういった仕掛けによってより高精度な成果が得られる、ということなんですね。

(飯島) それ以外の機能としては、例えば、企業様がお持ちの住所リストを体系化することができます。
AMT には、取り込んだ住所の文字列を、都道府県・市区町村・大字町名・丁目、といった具合に分割することができます。これによって、情報の集計や統計・分析を思うように行なうことができます。
そのほか利用価値が高いものとしては、「住所のクレンジング」という機能があります。

どれも同じ住所を異なる表記で表した例
都道府県名、郡名、市区町村名、大字通称名、字丁目名…のように分割した形で出力される

(中川) 「住所のクレンジング」とはあまりなじみのない言葉ですが、一体どういうことなんですか?
「クレンジング」ということですから、「クリーニング」とか「名寄せ」といったものでしょうか?

(飯島) はい、おおむねその通りです。
先ほどお話しした「揺らぎ」の吸収もクレンジングの一種ですが、意外と見落としがちなのは、住所は間違いやすい、という点です。
よく会員登録や通販の申し込みなどで自身の住所を記入することがありますが、意外と高い割合で入力ミスが発生しています。
これを防ぐとしたら、郵便番号を入力すると自動で住所文字列を発生させる仕掛けを導入することも考えられますが、すでに存在している住所データベースに対して間違い探しをするのは大変な労力が発生しますし、人力でやるには精度の面で課題が残ります。
AMT で処理すれば、住所文字列に対して精度レベルを返す機能がありますので、レベルが低いものは住所の表記に問題がある、あるいは実在しない住所が書かれている、といったことが検知できます。
この機能を活用すれば、「会員データに登録された住所を頼りに配送物を届けにいったところ住所が見つからなかった」ということも未然に防ぐことができます。

(中川) なるほど、意外な使い道もあるんですね!これこそ、まさに業務の効率化ですよね。
この「住所クレンジング」の機能は、個人情報として住所情報を管理している企業様や、個人宅へ荷物を届ける配送業者様には、是非お使いいただきたい機能ですね。

これから先、DXが促進される時代では、住所情報の価値は無限に高まる!

(中川) 昨今、「DX化」ということがビジネスの世界でよく言われています。
わかりやすく捉えると、デジタル情報を活用して、業務の効率性・合理性を高めていこう、ということだと思います。住所情報はうまく整理すれば体系的なデータベースとして活用できたり、位置情報として地図上で可視化したり、さらにそれに基づいて効率的な施設管理することなどが可能になります。つまり、住所情報は「DX化」には必要不可欠な情報ではありませんか?

(飯島) まさにその通りで、住所情報はDX化には欠かせない情報だと思います。
近年、ますます業務の効率化が叫ばれ、急速に業務手法の変革が進んでいます。
これまで当たり前だと思っていた手法が、もはや旧世代の手法になりつつあります。
あって当たり前、という「住所情報」ですが、見方を変えれば、まだまだ利用価値がありますし、実際に住所情報を活用するソフトが進化するなど、まさに利用しないともったいない、という時代になっています。

(中川) 本当にそうですよね。
最後になりますが、皆様には、ウェビナーや本コラムを通じて住所情報をさらに有効活用していただくことを紹介・提案させていただきました。
皆様の業務のお役に立てましたらうれしい限りです。
ご紹介しました AMT 以外にも、当社では様々な課題を解決するノウハウを持っていますので、是非お気軽にご相談ください。今後ともよろしくお願い申し上げます。

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